UE5のブレンドスペースの使い方
UE5のブレンドスペースとは、アニメーションを条件によって合成するというもの。
非常に汎用性が高いので使い方をマスターしておいて損はない。詳しく紹介していく。
以前の以下の記事でアニメーションを用意しキャラに銃を装着させるところまで作業している。
銃を持たせるこの記事をベースにブレンドスペースを使って移動している時も銃を持っているようにアニメーションを合成する方法を紹介していく。記事を先に確認しておくとブレンドスペースをより理解しやすいと思う。
UE5のブレンドスペースの使い方目次
ブレンドスペースのファイル作成ブレンドスペースの設定
アニメーションブループリントの設定
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ブレンドスペースのファイル作成
コンテンツブラウザの好きな場所(以前の記事で作ったAnimationsフォルダがおすすめ)で右クリックし、アニメーション→ブレンドスペースのように選択する。
すると今あるスケルトンの一覧が表示される。SK_Mannequinを選択しよう。
ブレンドスペースのファイルが作成されるので、名前をBS_MovePistolPlayerと名付ける。
目次にもどるブレンドスペースの設定
BS_MovePistolPlayerをダブルクリックして開き、タブがアセット詳細になっていない場合は切り替える。
アセット詳細の水平軸について、Nameに「Direction」(方向)と入力し、Minimum Axis Valueを-180にしMaximum Axis Valueを180にする。
垂直軸について、Nameに「Speed」と入力し、Minimum Axis Valueを100にしMaximum Axis Valueを500にする(MaximumよりMinimumの値を大きくはできないので先にMaximumから値変更しよう)。
中央のグラフをみてほしい。
横軸がDirection、縦軸がSpeedとなっている。このグラフに元となるアニメーションを配置して合成を行っていく。
右のアセットブラウザで「MM_Pistol_Jog」と検索すると走っているアニメーション一覧が出てくる。
MM_Pistol_Jog_Fwd、MM_Pistol_Jog_Bwd、MM_Pistol_Jog_Right、MM_Pistol_Jog_Leftを、グラフの以下の位置にドラッグ&ドロップして配置する(Bwdは2つ)。
右のアセットブラウザで「MM_Pistol_Walk」と検索すると歩いているアニメーション一覧が出てくる。
MM_Pistol_Walk_Fwd、MM_Pistol_Walk_Bwd、MM_Pistol_Walk_Right、MM_Pistol_Walk_Leftを、グラフの以下の位置にドラッグ&ドロップして配置する(Bwdは2つ)。
各アニメーションのセットが終わったら、グラフ内のどこかにマウスカーソルを合わせCtrlキーを押してみよう。合成されたアニメーションが表示される。
例えば、以下の位置でCtrlを押した時は、「前」と「右」の中間の45度方向へ移動し「走る」と「歩く」の中間形のようなアニメーションが再生される。
キャラが実際に移動してアニメーションをとっている。操作キャラ移動はブループリントで行うため、アニメーションでも移動しては困る。そこでその場にとどまりアニメーションを行うように変更する必要がある。
そこでアセットブラウザからMM_Pistol_Walk_Fwdをダブルクリックする。するとMM_Pistol_Walk_Fwdの画面に切り替わるのでアセット詳細からルートモーションの項目のEnableRootMotionとForce Root Lockにチェックを入れよう。
ブレンドスペースで使用した残りのアニメーションについても同じようにEnableRootMotionとForce Root Lockにチェックを入れる。
目次にもどるアニメーションブループリントの設定
作成したブレンドスペースを使えるようにブループリントアニメーションのABP_Playerに変更を加える。
ABP_Playerを開き、Locomotionを選択する。
Walk/Runを選択する。
画面右側のアセットブラウザから、BS_MovePistolPlayerを選択しドラッグ&ドロップする。
以下のようにBS_MM_WalkRunからOutput Animation Poseにつながっているワイヤーを削除し、代わりにBS_MovePistolPlayerとOutput Animation Poseをつなぐ。Ground SpeedはCtrl+CキーでコピーしてCtrl+Vキーで貼り付けして増やし、BS_MovePistolPlayerのSpeedに入力する。
ゲームをプレイしてみよう。以下のように銃を構えたまま行動することが可能となった。ブレンドスペースの使い方を知っていれば銃エイム時の行動などもアニメーション合成で作れるようになるなど、様々な場面で役立つ。ぜひ覚えておこう。